とっちゃん@nyanco! です。
今回は賃貸物件から退去する時に知っておくべき原状回復に関する知識まとめ「床・壁・建具編」です。
賃貸マンションから引っ越す際、トラブルになりやすいのが「原状回復」。
関連する知識を頭に入れておくことで不当な要求をされても鵜呑みにしなくて良くなるので、最低限知っておくべき知識を自分用にまとめておきます。
「原状回復ガイドライン」について
退去時の原状回復をめぐるトラブル防止の目的のため、国土交通省が定めた「原状回復ガイドライン」というものがあります。
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/honbun2.pdf
こちら、国が定めたものとは言え法的効力はなく、あくまで入居時に確認・契約した「契約書」の内容が優先されるのですが、知識として知っておくことで退去時に不当で常識を超える請求をされても判断できるようになるので知っておくべきガイドラインと言えます。
以下、借主側として最低限おさえておくべき「原状回復ガイドライン」の内容を建具別にまとめました。
基本的に「原状回復ガイドライン」からの引用となります。
床(畳、フローリング、カーペットなど)
畳(たたみ)
まず畳は以下の3つの構造からできています。
- 畳表(たたみおもて)…畳の表側(い草部分)。「消耗品」扱いで経過年数は考慮しない。
- 畳縁(たたみべり)…畳の角を補強するために縫い付けられた部分。
- 畳床(たたみどこ)…畳の芯となる部分。外観からは見えない。6年で残存価値1円となるような負担割合を算定する。
「消耗品」扱いのものは基本的に借主負担となる。
それぞれの状態によって原状回復にかかる費用が以下のように異なってきます。
裏返し
畳表を一旦取り外して裏返しにして元に戻すこと。
畳の裏返し費用:畳1枚3,000~5,000円程度
引用元:退去トラブル【畳編】表替え?張替え?借主の負担は?
表替え
畳表を新しいものに取り替えること。
畳の表替え費用:畳1枚5,000~7,000円程度
引用元:退去トラブル【畳編】表替え?張替え?借主の負担は?
畳の交換(新調)
畳表・畳縁・畳床すべて新しいものと取り替えること。
畳の交換費用:畳1枚10,000~25,000円程度
引用元:退去トラブル【畳編】表替え?張替え?借主の負担は?
借り主の不注意で毀損してしまった場合は借り主負担になりますが、その場合も毀損した枚数分だけの請求が正当といえます。見た目と合わすために他の畳の交換費用も負担してくれというのは不当な請求となります。
カーペット、クッションフロア
6年で残存価値1円となるような直線(または曲線)を想定し、負担割合を算定する。
※毀損等が複数箇所の場合は、居室全体。
フローリング
経過年数は考慮しない。
ただし、フローリング全体にわたっての毀損によりフローリング床全体を張り替えた場合は、当該建物の耐用年数(下記参考資料)で残存価値1円となるような直線を想定し、負担割合を算定する。
フローリングとしての耐用年数はなく、建物の構造によって期間が定められている。
壁・天井・建具など
壁(クロス)
6年で残存価値 1 円となるような直線(または曲線)を想定し、負担割合を算定する。
襖(ふすま)、障子(しょうじ)等の建具部分、柱
経過年数は考慮しない。
考慮する場合は当該建物の耐用年数(下記参考資料)で残存価値 1 円となるような直線を想定し、負担割合を算定する。
障子紙・襖紙
「消耗品」なので耐用年数はなし。
網戸(あみど)
網戸に関しては明確な線引きがなく、貸主・管理会社によって変わってくるので契約書を確認するか問い合わせる必要がある。
【参考資料】当該建物の耐用年数
木造[W造](店舗用・住宅用):22年
軽量鉄骨プレハブ造[骨格材肉厚3mm以下]:19年
軽量鉄骨プレハブ造[骨格材肉厚3mm超4mm以下]:27年
重量鉄骨造・鉄骨造[S造]:34年
鉄骨鉄筋コンクリート造[SRC造]・鉄筋コンクリート造[RC造](住宅用):47年
引用元:
耐用年数(建物/建物附属設備)|国税庁
鉄骨造、鉄筋コンクリート造の耐用年数ってどれくらい? 法定耐用年数と実際の寿命はどう違う?|SUUMO
参考にさせていただいたサイト様
おわりに
最後に自分なりにおさえておくべきだと思ったポイントを。
- 6年で残存価値が 1 円になるものを把握しておく
- 自分の住んでる物件の「当該建物の耐用年数」を把握しておく
ただし、いくら耐用年数が経過して残存価値が「0」になっていたとしても、下記のようなケースもあるようなので、明らかな故意過失は避けるべきですね。
また、交渉の際には「ネットで見た情報ではこう書いてあった」では根拠として弱いので、必ず国土交通省が定めた「原状回復ガイドライン」を引き合いに出すのが望ましいですね。
入居時に交わした契約書の内容が一番効力が強いということも忘れずに。
本記事がどなたかの参考になれば幸いです。
今回は以上となります。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました!
それではまた〜✧٩(ˊωˋ*)و✧
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