とっちゃん@nyanco! です。
今回は各方面で話題沸騰のミステリー小説「方舟(はこぶね)」を読んでみた(聴いてみた)のでネタバレ含むレビューをお届けするよというお話です。
とにもかくにもラストが恐すぎる衝撃作ですにゃ〜
ちなみに筆者は本作を「耳」で読書する「Audible(オーディブル)」で聴きました。再生速度も変えれて快適に「ながら読書」ができます♪
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最近は読書できてませんが、昔は図書館に通ってミステリー小説を読み漁ってた時期がありました。参考までに筆者が好むミステリー作家はこちら。
- 阿刀田高(アトウダタカシ)
- 有栖川有栖(アリスガワアリス)
- 伊坂幸太郎(イサカコウタロウ)
- 恩田陸(オンダリク)
- 京極夏彦(キョウゴクナツヒコ)
- 高橋克彦(タカハシカツヒコ)
- 法月綸太郎(ノリヅキリンタロウ)
- 湊かなえ(ミナトカナエ)
上記作家さんにピンときた方は「方舟」も楽しめるかと思いますにゃ〜
本の概要とあらすじ
まずは、本の紹介文の一部をご紹介。
9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か?大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。
翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。
そんな矢先に殺人が起こった。
だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。生贄には、その犯人がなるべきだ。ーー犯人以外の全員が、そう思った。
いかにもザ・ミステリーで興味惹かれる一文ですにゃ~
物語の舞台はタイムリミット付きのクローズド・サークル(密室)かつ誰かを犠牲にしないと脱出できないという極限状態で、ソリッド・シチュエーション・スリラー映画の金字塔「SAW(ソウ)」を彷彿とさせる設定となっています。
そういった緊張感のある設定の中、全員が容疑者の状態で「フーダニット(殺人犯は誰か?)」が展開されていくという色んなミステリー要素が詰め込まれた作品と言えます。
「方舟」データ
タイトル:方舟(はこぶね)
著者: 夕木 春央(ゆうき はるお)
ページ数:304ページ/Audible:11時間15分
出版社:講談社
発売日:2022年9月8日
受賞歴:
・週刊文春ミステリーベスト10国内部門第1位
・MRC大賞2022第1位
Audibleナレーター: 山内 璃久亜(やまうち りくあ)
夕木 春央さん、この作品で初めて知った作家さんですが1993年生まれでまだ30代前半とかなりお若い方ですにゃ〜
確かに作中にはスマートフォンが重要な要素になっていたりと若い感性が散りばめられています。
また、オーディブルのナレーター役の山内 璃久亜さんは新人声優のようですが、なんと一人で10人分の役を声色で見事に演じ分けていてビックリでした!
声質に関しては聴く人の好みもあると思いますが、個人的にはすごく聴きやすかったし、オーディブルの良さの一つである倍速再生をしてもしっかり聞き取れたので、またこの方がナレーターをしてる作品を聴いてみたいと思わせてくれました。
「方舟」レビュー(ネタバレなし)
ネタバレなしの感想としては、とにかく展開がテンポ良く絶望感がじわじわ増していき、ラストもその絶望は晴れぬどころかMAXになって終わるという、いわゆる「イヤミス(読んだ後にイヤな気分になるミステリー)」な作品なので心が弱ってる時に読むのは避けたほうが良いな、というものでした。
ハッピーエンドが好きな方は回れ右推奨ですにゃ〜
物語は主人公「柊一(しゅういち)」の一人称視点で進んで行くのですが、その主人公も含めて良くも悪くも登場人物の背景などが深く描かれないことから感情移入がしにくく、当事者としてではなく俯瞰した形で様子を眺めている感覚になるのが特徴的です(それがある意味救いになるのですが)。
「山奥の謎の地下建築」というミステリーにお誂え向きの舞台設定はそれだけでもゾクゾクするものがありますが、同時に物語の重要なキーとなるギミックがいくつも仕込まれており見事な設定だな〜と思う反面、やや複雑怪奇なので脳内でイメージしずらいという難点も感じました(筆者の理解力が乏しいだけかも知れませんが ^^;)。
映画や実写ドラマなど映像化されたら是非見てみたいですにゃ〜
「方舟」レビュー(ネタバレあり)
ではここからネタバレありな感想を述べていきます。
まだこの作品を読んでおらず、これから読もうと考えている方はあまり前提知識を入れない状態で最後まで読むことを激しくオススメします。
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はい、では参ります。
といっても核心については触れずにいきます。
まず、最後の短い「エピローグ」が鮮烈かつ禍々しい狂気と絶望に満ちており、間違いなくこの作品の「大トロ」部分でした。
「エピローグ」前に切れ者の探偵役が犯人の犯行動機を含め全て解明しているのですが「なるほど…」とは思うものの、そこまで納得感もなくこのまま終わるのか?と思いきやの真逆真逆の大どんでん返し。
ちなみに探偵役は映像化したらジャニーズや二枚目俳優が起用されそうなイケメンキャラな印象でしたが、ラストでは犯人の手の平で踊らされていた単なるピエロと化してましたにゃ〜
そこもなかなか新鮮でしたにゃ〜
「エピローグ」は、犯人が淡々と「告白」をして探偵役の推理では腑に落ちなかった本当の犯行動機や伏線が見事に回収されていくある意味爽快なシーンではあるのですが、謎が解き明かされる度に犯人の狂気さと尋常でないエゴイズムに気付かされ思わず身震いするほどです。
個人的に「ひぐらしのなく頃に解 目明し編」を思い出しましたにゃ〜
分かる人には分かると思いますにゃ〜
絶望が頂点に達した時点で唐突に終わるのもまるで救いがなく、一切容赦のないラストで読後感はシンプルに「憂鬱」の一言。
ただ、前述もしたとおり良くも悪くも薄く描かれた登場人物に感情移入し切れなかった分没入感は弱く、当事者感覚としてのダメージは少ないのが唯一の救いで、狙ったのであれば著者のせめてもの優しさだったのかも?とも感じました。
偶然起こった自然災害をきっかけにそんな計画をいきなり思いついて即実行できるか?という点にはどうしても不自然な印象は否めないものの、こういったフィクション作品はリアリティを求めないほうが楽しめる!というのが持論なので純粋にホラーエンターテイメントとして楽しむことができました。
一度犯人が分かってからまた始めから読むと、犯人の挙動やセリフが「なるほどな…」と思えてまた違った楽しみ方ができるので、時間のある方は二度読みオススメです。
Audibleなら再生速度が自由なので再読も捗りますにゃ〜
ちなみに筆者は初回は1.5倍、再読時は2倍で聴きましたにゃ〜
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おわりに
「方舟」読者専用の「ネタバレ解説」サイトが講談社公式で用意されていました!
最後まで読んだ方であれば分かるキーワード(「真犯人の名前」「真犯人最後のセリフの最後の4文字」)をローマ字で入力するとアクセスできるクローズドなサイトになってます。
有栖川有栖さんと影山徹さんによりネタバレ考察が楽しめますにゃ〜
「ユーザー名」と「パスワード」を伏字状態で下記に掲載しておきますにゃ~
ユーザー名:mai パスワード:sayonara
※テキスト選択すると表示されます。
本記事がどなたかの参考になれば幸いです。
今回は以上となります。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました!
それではまた〜✧٩(ˊωˋ*)و✧
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